Windowsをリカバリーやコピーなどで復元した際に回復ドライブの無いディスクを作ってしまう事があります。
回復ドライブは通常、Windowsのインストール時にディスクの未使用領域にインストールする事で自動的に回復用のパーティションが作成されるようになっています。
回復ドライブが無いと回復ディスクを作成出来ません。sfc /scannow
が実行できない場合もあります。
これを後から手動で作成します。Windows7向けの方法です。
可能な限りコピー&ペーストして修正してください。
回復ドライブの作成方法
回復ドライブの作成は回復パーティションを作成した後、Microsoftの案内する手順通りにすると作成できます。
注意点はDVD-ROMドライブのドライブレターが環境によって異なるので変更しないといけない事とコマンドが長いのでコピー&ペーストで作業する事です。
手順の中でドライブレターを使用環境に合わせた文字に変更する箇所は1か所だけですので作業自体は簡単です。
ここでは reagentc /enable
で作成できない場合を扱います。reagentc /info
で情報を表示すると空っぽの情報が表示されます。
ディスクの管理でドライブ構成を確認する
田 スタートメニュー
を右クリックしてメニューを開く。
ディスクの管理(K)
をクリックして開く。
ディスクの管理でボリューム
の列のC:をクリックするとCドライブのディスクが選択されCドライブが斜線表示される。
その右側に未割り当て
が512MBか1GB(1024MB)以上無い場合はCドライブを縮小する必要がある。
Cドライブを縮小する必要がある場合
C:の斜線表示の部分を右クリックしてメニューを開く。
ボリュームの縮小をクリックする。
縮小する領域のサイズに 512
(又は1024) を入力する。
縮小
をクリックして縮小する。
縮小出来ない場合はファイルを削除して空き領域をcipher /w:C
コマンドでwipe(ゼロライト)してから縮小するかWindowsを再インストールする際にCドライブを削除する必要があります。別の物理ドライブに作るのは今と同じ事が起こるのでお勧めしません。
ここではその手順は説明しません。
Diskpartで回復ドライブを作成する
以下のコマンドを自分の環境と比べながら順に実行する。
田 スタートメニュー
をクリックする。
diskpart
と入力してEnterキーで起動する。セキュリティの確認を求められるので「はい」をクリックする。
diskpart
list disk
select disk 0
list disk
選択したディスク0の先頭に *
(チルダ)が付く。間違えたら select し直す。
list partition
選択したディスクのパーティションの一覧を表示して選択したディスクが正しいか確認する。
create partition primary size=512 id=27
assign letter=R
このドライブレターの割り当てはディスクの管理からでは出来ません。
exit
回復ドライブを拡張したい場合
後述の更新プログラムを適用すると、システムイメージの作成で「バックアップに失敗しました。」と出る事があります。
この場合、diskpartから領域を拡張します。
現在容量が512MBの場合。ディスク0、パーティション1の場合。
list disk
select disk 0
list disk
選択されたディスクが正しいか確認する。
list partition
select partition 1
list partition
選択されたパーティションが正しいか確認する。
パーティションを 512 MB 拡張する。
extend size=512
OEM パーティション、ESP パーティション、回復パーティション、またはオフラインボリュームは拡張できません。
選択されたボリューム拡張できません。
別のボリュームを選択してから再実行してください。
回復パーティションからNTFSパーティションに変更。
set id=07
必要に応じてドライブレターを割り当てる。
assign letter=R
512 MB のドライブを 512 MB 拡張する。
extend size=512
set id=27
選択されたボリュームまたはパーティションは使用中です。
操作を続行するには、OVERRIDE パラメータを使用してください。
set id=27 override
exit
回復ドライブが正常に動作するようにイメージを書き込み必要に応じて更新プログラムを適用する。
次の Microsoft の記事の通りにコマンドを入力して設定する。
Windows 7 および Windows Server 2008 R2 の Windows 回復の更新プログラムについて
support.microsoft.com
インストール メディアから WinRE.wim を見つけてコピーする
ここは上の記事のほぼコピーです。
コマンドは極力コピー&ペーストしてください。インストールメディアのドライブ部分は変更してください。
WinRE.wim がシステムで構成されていない場合は、次の手順を実行します。
オペレーティング システムのインストールに使用した Windows インストール メディアで WinRE.wim ファイルを見つけます。
田 スタートメニュー
をクリックする。
command
と入力してEnterキーで起動する。
次のローカル フォルダーを作成します。
mkdir C:\OS_Image
mkdir C:\OS_Image\Mount
mkdir C:\Winre
Install.wim ファイルを Windows インストール メディアから C:\OS_Image にコピーします。インストール メディアがドライブ D に置かれている場合は、Install.wim ファイルは D:\sources フォルダーに置かれています。
次の DISM コマンドを入力して、Install.wim ファイルをマウントします。
DISM /mount-wim /wimfile:C:\OS_Image\Install.wim /index:1 /MountDir:C:\OS_Image\mount
次のコマンドを入力して、Windows RE イメージ (Winre.wim) ファイルをマウントされた Windows イメージから C:\WinRE にコピーします。
Copy C:\OS_image\mount\windows\system32\recovery\WinRE.wim C:\winre\
次のコマンドを入力して、マウントされた Windows イメージをマウント解除します。
DISM /unmount-wim /MountDir:C:\OS_Image\mount /discard
C:\OS_Image フォルダーと C:\OS_Image\Mount フォルダーをそれらにコピーされた Install.wim ファイルと共に削除します。
KB2883457 セキュリティ更新プログラム パッケージを WinRE.wim に挿入する
これはやらなくても良いですが作業はこれで終わりではありません、下に続きます。
KB2883457 セキュリティ更新プログラム パッケージを C:\WindowsUpdate フォルダーにコピーします。
次のローカル フォルダーを作成します。
mkdir C:\WinRE\Mount
次のコマンドを入力して、Winre.wim ファイルをマウントします。
DISM /mount-wim /wimfile:C:\winre\WinRE.wim /index:1 /MountDir:C:\winre\mount
次のコマンドを入力して、セキュリティ パッケージをマウントされた Winre.wim ファイルに挿入します。
DISM /image:C:\Winre\mount /Add-Package /Packagepath:C:\WindowsUpdate
次のコマンドを入力して、セキュリティ パッケージが正常に統合されたことを確認します。
DISM /image:C:\winre\mount /Get-Packages
次のコマンドを入力して、Winre.wim ファイルに対する変更をコミットします。
DISM /unmount-wim /MountDir:C:\Winre\mount /commit
回復ドライブを設定する
reagentc /info
REAGENTC.EXE: 操作は完了しました
reagentc /enable
REAGENTC.EXE: 操作は完了しました
reagentc /info
REAGENTC.EXE: 操作は完了しました
有効化されて回復環境が設定されてBCDが設定されました。
回復環境が動作するか確認する。
田 スタートメニュー
をクリックする。
一番下の⏻
電源をクリックする。
SHIFTを押したまま再起動
をクリックする。
若しくは、
田 スタートメニュー
をクリックする。
⚙ 設定
をクリックする。
更新とセキュリティ
をクリックする。
回復
をクリックする。
「PCの起動をカスタマイズする」のすぐ下にある再起動
をクリックする。
これで回復環境が起動すれば成功です。
ドライブレターが割り当てられた回復ドライブのドライブレターをシステムレジストリから削除する
一旦ドライブレターを割り当てるとディスクの管理からドライブレターを削除しても再起動後にレジストリに残った情報でドライブレターが再割り当てされる事がある。
その為、先ず再起動して回復ドライブのドライブレター確認する。
田 スタートメニュー
をクリックする。
regedit
と入力しEnterキーを押して起動する。
画面左に表示されているフォルダ表示の部分がキーです。右側は値になります。
レジストリキーから該当ドライブのキーを表示する。キーのある場所は
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Search\VolumeInfoCache\
例えば回復ドライブが R:
なら画面の左側の VolumeInfoCache
の下に R:
があると思います。これを右クリックして削除します。
右クリックして表示されたメニューの削除
をクリックする。
「キーの削除の確認」の画面が出るので「はい」をクリックして削除する。
もう一か所削除する
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\MountedDevices\
画面右側に表示されている値の名前を見て R:
なら \DosDevices\R:
と 言う値を探す。
右クリックして表示されたメニューの削除
をクリックする。
「値の削除の確認」の画面が出るので「はい」をクリックして削除する。
確認
再起動してエクスプローラを開き先程のドライブレターの割り当てがなくなれば完了です。
TypeIDについて
setid で使用されている TypeID についてです。消えると困るので表をコピーしておきます。
CREATE_PARTITION_PARAMETERS (vds.h) - Win32 apps | Microsoft Learn
Members
style
MbrPartInfo
Parameters for a Master Boot Record (MBR) disk. Used if style is VDS_PST_MBR.
MbrPartInfo.partitionType
Indicates the system-defined MBR partition type. Possible values are as follows:
Value | Meaning |
---|---|
|
Unused entry. |
|
Specifies a partition with 12-bit FAT entries. |
|
Specifies a XENIX Type 1 partition. |
|
Specifies a XENIX Type 2 partition. |
|
Specifies a partition with 16-bit FAT entries. |
|
Specifies an MS-DOS V4 extended partition. |
|
Specifies an MS-DOS V4 huge partition. This value indicates that there is no Microsoft file system on the partition. Use this value when creating a logical volume. |
|
Specifies an NTFS or ExFAT partition. |
|
Specifies an OS/2 Boot Manager, OPUS, or Coherent swap partition. |
|
Specifies a FAT32 partition. |
|
This value is not supported. |
|
This value is not supported. |
|
This value is not supported. |
|
Specifies a PowerPC Reference Platform partition. |
|
Specifies a logical disk manager partition. |
|
Specifies a UNIX partition. |
|
Specifies an NTFT partition. This value is used in combination (that is, bitwise logically ORed) with the other values in this table. |
TypeID | Microsoft Learn
BIOS/MBR-Based Systems
Partition type | How to set the value | Used for | Receives a drive letter by default? |
---|---|---|---|
System partition |
Set CreatePartitionType to Primary, and then set ModifyPartitionActive to true. |
System boot information and Windows RE tools. |
No |
OEM partition |
Set CreatePartitionType to Primary, and then set ModifyPartition<code>TypeID to a recognized value. Recognized values include: |
OEM tools and other system utilities. |
No |
Windows data partition |
Set CreatePartitionType to Primary. |
Windows, applications, and data. |
Yes |
Recovery/utility partition |
Set CreatePartitionType to Primary, and then set ModifyPartition<code>TypeID to 0x27. |
Recovery files such as push-button recovery images and other system utilities. |
No |
UEFI/GPT-Based Systems
Partition type | How to set the value | Used for | Receives a drive letter by default? |
---|---|---|---|
EFI system partition (ESP) |
The system partition. |
No |
|
Microsoft Reserved partition |
Set CreatePartitionType to MSR. |
Managing the other hard-drive partitions. |
No |
Windows data partition |
Set CreatePartitionType to Primary. |
Windows operating system, applications, and data. |
Yes |
Recovery/utility partition |
Set CreatePartitionType to Primary, and then set ModifyPartition<code>TypeID to |
Recovery tools such as Windows RE, recovery files such as push-button reset images, and other system utilities. |
No for Windows RE tools partitions. Yes for push-button reset partitions and other utility partition types. For more information about hiding partitions, see Walkthrough: Deploy Push-Button Reset Features. |
以上です。