ThunderbirdとSeaMonkeyのどちらも使いたいがデータが2つになるのは避けたいまたは移行したい、設定ファイルはアカウント等がpref.js、アドレス帳はabook.mab、メールボックスはMailまたはImapMailフォルダに入っていて基本的にはこれらをコピーすれば良いですがメールボックスは共通で1つにしておきたい、その方法です。
複数のPCで1つのメールアドレスを使う際も参考になると思います。
具体的には両者のメール保存形式が同じmbox形式でそのまま使える為シンボリックリンクを使います。そして両者ともに同じMozillaのGeckoエンジンを持ったアプリケーションで共通の設定で動くので設定ファイルをコピーして設定します。共有する前にファイル破損対策としてプロファイルフォルダの自動バックアップを必ず取るようにしてください。
通常の利用方法ではないのと作業中や作業後にメールボックスを破損する恐れがある為、内容を良く理解した上で実行してください。メールアカウントのフォルダだけをリンクする事も出来ます。
メール共有の事前準備
必要なのは「メールを受信した際にサーバに残しておく」と言う設定でこれは複数の端末で受信する際にも必要になります。メールボックスを2つのアプリケーションで共有しなくてもこれをしておけばほぼ大丈夫ですが共有はしていないので根本的な解決にはなりません。
メールを受信する際には「サーバから削除する」か「サーバに残しておく」か設定できます。サーバから削除するのはサーバの容量を減らすためでこれは将来的には必須です。サーバに残しておく場合はメールボックスが一杯にならないように「受信したら何日後に削除する」と言う設定をします。サーバに残しておく場合はメールを受信するとリストを作成し同じメールは受信しなくなります。これにより他の端末で受信する事が可能になります。
メールボックスを1つの端末内の複数のアプリケーションで共有する場合はシンボリックリンクを使います。その為コマンドプロンプトでの作業が必要になります。ジャンクションでも可能だと思いますがシンボリックリンクに比べてあまり推奨されていません。Mail(ImapMail)フォルダをリンクする方法とアカウントのフォルダをリンクする方法があります。
プロファイルについてはデフォルトで作成されるプロファイルを使用している前提で説明します。プロファイルの選択を間違えないように注意して作業してください。
各アプリケーションでメールアカウントを作成し設定が済んだら必要なファイルが出来上がるので終了してください。終了したらMailフォルダかプロファイルのバックアップ又はコピーを取っておきます。Mailフォルダを共有したい場合はメールボックスを上書きしないようにMailフォルダの中身をもう片方のアプリのMailフォルダの中に移動したらこれを共有するフォルダとして使います。共有しない側のフォルダは削除しておきます。メールアカウントのフォルダだけを共有する場合は新規に作成した同じメールアカウントのフォルダを削除してください。
メールを受信した際にサーバに残しておく設定
設定を開く
Thunderbirdの場合は右上の≡(横三本線)をクリックし「オプション」をクリック、「アカウント設定」をクリック。
SeaMonkeyの場合は上のメニューバーの「編集」をクリックし「設定」をクリック。
もしくは左のフォルダーペインのメールアドレスを右クリックしメニューの「設定」をクリックします。
アカウント設定
アカウント設定の画面が開いたら「サーバ設定」をクリックします。
中程に「サーバ設定」、その中に「新着メッセージがないか起動時に確認する」がありその下に「ダウンロード後もサーバにメッセージを残す」があります。
「ダウンロード後もサーバにメッセージを残す」をクリックしてチェックします。
その下の「ダウンロードしてから何日以上経過したメッセージは削除する」もクリックしてチェックします。ここの日数は14日にしておきます。
設定が終わったら右下の「OK」をクリックして設定を閉じます。
設定のコピー
コピーしたい方へpref.jsとabook.mabをコピーします。
エクスプローラーのアドレスバーかスタートボタンをクリックして%appdata%
と入力します、スタートから入力するとフォルダの候補が出るはずです、Enterキーでフォルダを開きます。下の2つのどちらかでも大丈夫です。
%AppData%\Mozilla\SeaMonkey\Profiles
%AppData%\Thunderbird\Profiles
Profilesの中に~.defaultと言うフォルダがあるのでそれを開きます。そこにpref.js ,abook.mabがあります。これらを右クリックメニューからコピーしてコピー先の~.defaultフォルダを開いて貼り付けます。アドレス帳が移動できない場合はエクスポートすれば他でインポートできます。
それぞれのアプリケーションを1度起動してメールアカウントを作成し設定しておきます。2つ方法がありメールアカウントのフォルダを共有する方法とMailフォルダを共有する方法があります。メールアカウントのフォルダを共有する方が問題が少ないと思いますがMailフォルダをリンクした方が楽だと思います。Mailフォルダを共有する場合はフォルダが存在しているとシンボリックリンクを作成できない為、必要のない方のMailフォルダをコピーした後に削除してください、コピーしたファイルはリンク後に追加するので必要になります。
メールボックスの共有
どちらを基準にしたいのかによりますがSeaMonkeyの方がファイルが多いようなのでSeaMonkeyのフォルダを基準に説明します。Mailフォルダをリンクする場合はThunderbirdのMail、ImapMailフォルダがあるとリンク作成が出来ないので削除しておきます。Thunderbirdを主体に使う方がお勧めです。普段メールを受け取っていた側のデータを新しい方に移動するかそのまま残す様にしてください。事前にバックアップは必ず取っておいてください。
スタートボタンをクリックしたらcommandと入力しEnterキーでコマンドプロンプトを起動します。管理者権限が必要な場合はCtrl+Shift+Enterで起動してください。
先ほどエクスプローラーで開いた~.default\Mailフォルダのアドレスバーの右の空いている部分を適当にクリックしてアドレスを文字列表示させます。
アドレスの文字列が反転して選択されていると思うのでCtrl+Cを押すかこれを右クリックして「コピー」をクリックします。
シンボリックリンク作成の書式は次の通りです。コマンドプロンプトで実行してください。フォルダ(ディレクトリ)作成の為に/Dオプションを付けます。
mklink /D リンク元 リンク先
mklink /D
(半角スペース)まで入力したらCtrl+Vで先ほどのアドレスを貼り付けTabを押すと"で囲まれるので半角スペースを入力します。
mklink /D "リンク元.default\Mail" あ
(半角スペース)まで入力します。メールアカウントだけをリンクする場合はmklink /D "リンク元.default\Mail\outlook.com"
の様にしリンク先も同様にしますがこちらはアカウントの数だけリンクを作成する必要があります。
リンク先はThunderbirdのフォルダなのでそちらをエクスプローラーで開き同様にアドレスをコピーして"
を入力したらコマンドプロンプトに貼り付けて"
を入力します。
mklink /D "リンク元.default\Mail" "リンク先.default\Mail"
の入力ができたと思うのでEnterキーで実行します。
これでフォルダのシンボリックリンクが作成されました。リンク元のフォルダを開くとリンク先のフォルダに移動していると思います。シンボリックリンクについては調べてみてください。
共有の為の作業は以上です。
移行できないもの
ユーザーが追加した設定。追加したタグや追加したカスタムヘッダー等。
メールを共有して使う
メールボックスが共通のファイルで同時書き込みで破損するのを防ぐ為に2つのアプリで同時に受信しないようにしてください。
メールパスワードを保存している場合は片方は自動で受信する設定を解除しアプリケーションを同時に起動せず手動で受信するようにしてください。
今後大きな変更があった際に問題が発生する可能性がある為自動バックアップは必ず取っておいてください。
以上です。